コールドブリューとアイスコーヒーの違いとは

コールドブリュー(COLDBREWまたは水出しアイスコーヒー)とは、アメリカのコーヒー専門店で生まれた、コーヒーの本来のうまみと香りを引き出す抽出方法で、抽出に長い時間をかけることが特徴です。 コーヒー豆を直接、常温または低温の水に浸し、長時間かけて抽出することで、コーヒーの苦味や雑味、エグみを抑え、スッキリした味わいがでるとされています。アメリカでは缶コーヒーでコールドブリュー専門ブランド商品( Rise、High Brew、La Colombeなどが有名)がアイスコーヒーと一緒にスーパーで普通に陳列されるほどの人気です。でも単なるアイスコーヒーと本当のところ何が違うのか?疑問に思う方も多い方と思います。今回はそれを解説してみようと思います。

 

コールドブリューと伝統的なアイスコーヒーの違いは?

- 「氷」で味が薄まらない

アイスコーヒーは、ホットコーヒーを氷を入れて冷まして作ります。どんな淹れ方でも同じですが、最後に氷を入れてアイスにするので氷の溶けた分だけ薄まってしまいます。なので少し濃いめにコーヒーを入れるのが普通ですが、濃く入れようとすると酸味や苦味のバランスを失ってしまうことも多く飲みにくくなったりします。

- 抽出時間の違い

常温・低温の水で抽出するため抽出に時間がかかります。抽出用の水が常温の場合は、コーヒー豆と一緒に12〜24時間かけてコーヒーを抽出するのが普通です。 長時間抽出するのでコーヒーが好まれる特徴である風味とカフェインが失われません。手間がかかるので家でコールドブリューを入れるのは相当情熱がないとできません。

- 酸性が弱い?

通常のアイスコーヒーより弱酸性であると言われてます。 ただ、この主張を裏付ける科学的な根拠がないのではないかとも言われているので注意が必要です。

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コールドブリューコーヒーの化学的性質を調べた研究論文を紹介しましょう。この研究では同じ原産地のコーヒー豆でホットブリューコーヒーとコールドブリューコーヒーのpHなどを調べました。論文によるとそれぞれのコーヒーのpH値は、4.85から5.13の範囲に収まり、さほど大きな差はないといいます。酸性食品に「非常に敏感」な人や胃食道逆流症などの症状がある場合はコールドブリューが低酸性であるからといって飲まないほうが無難だと思います。