中国コーヒースタートアップのLuckin Coffee、スタバの背中を捉える

Luckinの2Q、大幅成長も利益は市場予想下回る

中国Luckin Coffeeの19年2Qの決算が発表された。予想された通りに大幅に成長しているものの市場予想よりも大きな損失がだったため、Luckin Coffeeの株は今週大幅に下落した。収益の市場予想は1億3240万ドルで市場予想の1億30.3万ドルをわずかに上回ったものの、第2四半期の純損失を9,920万ドルと市場予想よりも悪かった。今週の火曜日の終値で58億ドルのvaluationをつけた同社の株式は、同社が今年の3月にIPOして以来37%上昇していた。しかし水曜日の決算発表をうけて株価は急落、火曜日の終値に比べて16%以上下落した。 Luckinはたった2年前に設立されたにもかかわらず急速に店舗数を伸ばし、すでに中国国内で約3,000店舗規模に成長。中国スターバックスに次いで中国で2番目のコーヒーチェーンとなっている。 スターバックスの市場価値はLuckinの20倍近くあり、グローバルでみるとまだまだ背中は遠いが大量の消費者を抱える中国での急拡大にコーヒー業界関係者以外の多くを驚かせた。

四半期で600近い新規店舗、中国スターバックスは4000店舗

Lukinは今四半期だけで593の新規店舗を開店したという。1ヶ月に100店舗以上回転する脅威のスピードだ。スターバックスは6月時点で約4000店舗であり、もう背中が見えていると言っても過言ではないだろう。ただしLuckkinの店舗の大半はピックアップショップであり、座席は少なく店舗の大きさは小さく設計されているため、店舗数をスタバとは単純比較することはできない点には注意したい。またスタバは中国でのLuckkinの猛追にあわせて、小規模で座席がないピックアップ型の店舗をオープンしている。スタバがこの形の店舗を大量投入すれば店舗数の伸びは張り合える可能性もある。決算会見でLuckkinの共同設立者兼CEOであるJenny Qian Zhiyaは2019年末までに店舗数を4,500に増やし、店舗数で中国最大のコーヒーチェーンになると宣言した。

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Luckin Coffeeの店舗数の拡大

 

 

値引き戦略で月間販売数の大幅上昇

Luckinの急拡大ニュースはセンセーショナルだが飲み物を値引きすることで新規顧客を引き付ける戦略にでている点も抑えて統計を見る必要がある。スターバックスのCEOのケビン・ジョンソンは、この戦略には否定的であるもののアイテム数でみたときの成長は顕著だ。19年1Qで減少に転じた月の平均アイテム販売数は値引きの実施により2Qで再び大きく伸びている。

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販売アイテム数でも伸びるが...

 

海外進出も

Luckkinはアメリカーナグループと業務提携し、中東とインドに進出するために現地に合弁会社を設立している。中国国内で熾烈なスタバとの競争があるなか、海外ではグローバル企業と組むしたたかさを見せている。

参考: 

https://asia.nikkei.com/Business/Hotels-Restaurants-Leisure/Luckin-on-track-to-be-largest-coffee-chain-in-China-this-year2