フォード、コーヒーから車を作る

フォードはコーヒーから車を作る技術を開発している。大手自動車メーカーであるフォードはマクドナルドの古い廃棄扱いのコーヒー豆から成分を取り出し、それをバイオプラスチックに変えるという。これはフォードのSDGs的な取り組みの一環だ。フォードはマクドナルドから生ごみを取り、バイオプラスチックに加工するという。食品廃棄物の削減に加えて、この取り組みにより、自動車部品の軽量化、石油使用量の削減、CO2排出量の削減が実現するという。

 

毎年、数百万ポンドのコーヒーの殻(焙煎過程で自然に剥がれた豆の乾燥肌)が生み出されるが、そのコーヒーの殻は北米では園芸用マルチ(畑の表面を紙やプラスチックフィルム等で覆う材料)またはチャコール(炭・木炭)に変わるのが一般的な利用方法とされてきた。しかしフォードとマクドナルドが協力することで、コーヒーの殻にたいして革新的な利用方法を提供できるというのだ。フォードはコーヒー殻を耐久性のある素材に変換して、特定の車両部品を強化できることを発見したという。フォードによると低酸素下で殻を高温に加熱し、プラスチックやその他の添加物と混合し、ペレット状に加工することで、材料をさまざまな形状に成形することができるという。

https://www.theverge.com/2019/12/4/20994188/ford-mcdonalds-recycling-coffee-grounds-car-parts

 

ブルーボトルコーヒーCEOが幼児むけ食品配達スタートアップに出資

ビーフードデリバリーのスタートアップであるYumiが、800万ドルを調達したと発表したという。
このラウンドの投資家には、Allbirds、Casper、Harry’s、SoulCycle、Sweetgreen、Uber、Warby Parkerなどと並び、ブルーボトルコーヒー・カンパニーCEOのジェームス・フリーマン(W. James Freeman)が名前を連ねた


Yumiは、栄養素が多く果糖が少なく、子供の年齢と発達段階に最適化食事を提供するスタートアップだ。同社はこのラウンドで得た資金を使い事業を全米に拡大し、独自のソフトウェアを開発することで、個人向けの食事プランや教育コンテンツなどの開発などに取り組むという。このラウンドにより、同社の総資金は1,210万ドルになりました。 他の投資家には、August Capital、Brand Foundry、Day One Venturesが含まれる。


Yumiは2017年に、元ニューヨークタイムズ記者であるアンジェラサザーランドとエブリンラスリによって設立されたスタートアップだ。米国では記者出身のスタートアップがジワリと増えている。

https://foodondemandnews.com/1212/yumi-snags-8-million-investment-for-convenient-healthy-baby-food/

 

Luckin Coffeeの第四四半期予想が、事前予想よりも少ない損失に

中国でStarbucksと熾烈な競争をしているLuckin Coffeeが、2019年度第4四半期の売上高が予想をうわまりそうだという。予想を上回る決算になる見込みである理由は北京や上海などの中国の主要都市で中国人によるコーヒー需要の高まりが背景にあるという。

 

www.dealstreetasia.com

人工肉のコーヒー版?豆レスコーヒーAtomo(アトモ)がHorizons Venturesからの260万ドルのシード調達

 

豆レスコーヒーのAtomo

コーヒーの消費量は急増しているが、持続可能性に関する大きな課題がある。そんな課題を解決すべく、ラボで作られた分子コーヒーでコーヒー豆の代替を目指すスタートアップがAtomoがシードラウンドで260万ドルを調達した。Atomoはコーヒー豆の成分をリバースエンジニアリングし、コーヒーの香り、風味、口当たり、色を作り出す化合物を特定して本物のコーヒーに近い液体を実験室で作り出すという。

 

コーヒー豆生産の近未来:気候変動という危機

コーヒー市場は、現在持続可能性に関する大きな課題に直面しています。気候変動により世界の主要なコーヒー生産地域に大きな混乱をもたらすと予想されている。現在コーヒー豆が生産されている地域の50%は、2050年までに作物に適さない気候になるという予測もある。すべての野生コーヒー種の60%が絶滅の危険にさらされているという研究結果もある。こうしたコーヒー豆生産の厳しい未来予想図を考えると、Atomoの掲げる未来は十分に魅力的だ。

link.springer.com

模倣コーヒーだけじゃない:好みのコーヒーにチューニング

Atomoの実験室コーヒーは単にコーヒーっぽい風味を作り出すだけではない。リバースエンジニアリングで分解したコーヒーの成分を制御することで風味や味を消費者の好みに合わせて微調整することもできると主張している。Atomoは単なるコーヒーの模倣ではなく、本物よりも優れたコーヒーを作り出したいと考えているのだ。

 

ベンチマークはビヨンドミート

 近年農畜産業における代替品でもっとも成功したものがビヨンドミートなどが製造するミートレスミート、つまり人工肉や乳製品レス牛乳だろう。Atomoの主任科学者、ジャレット・ストップフォース博士はこうした先行例を引き合いに、「我々はコーヒーでこの市場を作っていく」と胸を張る。シード資金で260万ドルの資金を調達した際もベンチマークとされる企業はBeyond MeatやImpossible Foodsであったという。

 

人工肉市場との違い

しかし豆を含まないコーヒーは、本当に次の肉なしバーガーになるほどのポテンシャルを秘めているのだろうか?その点について批判的な考察をしてみる。まず代替肉・人工肉と違う点として「倫理の問題」が少ないことが挙げられる。人工肉が消費者に受け入れられた理由の一つとしては、やはり家畜にたいする倫理的な問題があげられるからだ。コーヒー生産者が直面する持続可能性の課題という観点では畜産業が地球環境に及ぼすCO2排出などによる悪影響と同列に並べてベンチマークにすることは可能だが、しかし「倫理面の問題」がないコーヒーという農作物を人工肉の市場と同列に扱っていいのか?という論点はあるだろう。もちろん、近年問題視されるようにコーヒー生産地の発展途上国におけるコーヒー生産者の人権問題などは倫理の問題として残っており、認証豆などエシカル消費の盛り上がりもある。しかし人工コーヒーの市場が拡大した場合そもそもそうしたコーヒー生産者は救われるどころか職を失うかもしれない。

 

Closedなテスト期間中、本当に成立するかは未知数

Atomoの作るコーヒーは直近はまだ市場投入するような段階ではないという。製品が実際にどれぐらいの手頃な価格で提供されるかもまだ決まっていない。そして本当にAtomo社がいうようなコーヒーのような味が再現されているかもまだよくわからない。コーヒーは会社が開いた学生との非公式の味覚テストではうまくいったというが、他のレビューではそれほど良い評価はえられていないという。

 

 参考

Is Coffeeless Coffee the Next Impossible Burger? | Seattle Met

Scientists Create Beanless Coffee Without The Bitterness Of Regular Joe : The Salt : NPR

 

Luckin CoffeeのIPOのロックアップ期間が終了、6倍の株式が一気に市場に放出か

 

11月13日に中国コーヒーチェーン大手のLuckin CoffeeのIPOのロックアップ期間が終了する。現在IPO前の株主は現在同社の株式の売買が制限されるいわゆる「ロックアップ期間」にある。

ロックアップが終了するとVCなどはexitのために株価を手放すことが想定され、株価の急激で短期的な下落を引き起こす可能性がある。現在取引されている株式はLuckin Coffeeの発行済み株式のわずか14.2%で、IPO時に放出されたものだ。ロックアップの期限が切れ、既存株主の株が市場に一斉に放出されると取引量が大幅に増加し、受給のバランスが崩れる可能性は高いと市場関係者はいう。 

 

The Whole Coffee Company(ホールビーンカンパニー)

フロリダ州マイアミにある菓子小売チョコレート、コーヒーシン(COFFEE THINS・一見チョコレートのようなコーヒーでできたお菓子)、スプレッドおよびその他のコーヒー原料製品を製造するコーヒー系スタートアップ。独自の機器を使用した同社の特許技術により、焙煎したコーヒー豆をそのままさまざまな原料として使用できるコーヒー濃縮物として生成することができる。その濃縮物は例えば冷凍デザート、ベーカリー、菓子類、RTD(Ready to Drink)など、の製品に使うことができる。

https://www.linkedin.com/company/tierra-nueva-fine-cocoa

 

 

nudge

nudge. 100%コーヒー豆でできたお菓子(同社HPより)



 

インドネシアコーヒースタートアップ Fore Coffeeが3000万ドルを調達

インドネシアを拠点とするコーヒースタートアップFore Coffeeが3000万ドルを調達したという。Fore Coffeeはシードラウンドではeast venturesなどから$8.5Mを調達していた。他の既存株主にはSMDV、Pavilion Capital、Agaeti Venture Capital、Insignia Ventures Partnersなどがいる。

Fore Coffeeは、オンラインとオフラインの両方のチャネルを介してサービスを提供し、インドネシアを世界トップの高品質コーヒー生産地にすることを目指している。

 

https://www.dealstreetasia.com/stories/fore-coffee-new-funding-161080/